小児歯科
大ざっぱに、子供さんを歯科にスムーズに連れていくところのポイントをつくば市ご勤務の乙部紫伸先生への取材記事から引用させていただきます。すごくコンパクトでわかりやすいです。
1 虫歯予防で歯医者さんに行くことを習慣にする

日頃から家庭での楽しい歯磨きの習慣に加え、親自身も子どもの歯の管理を長い視点で捉えることがポイントです。子供の時からのまずは、虫歯がなくても定期的に検診に行きましょう。
そうすることで、子どもが歯医者さんに通い慣れることができますし、予防を大切にする習慣を身につけることができます。 もちろん、虫歯ができた場合にも、歯医者さんそのものに慣れていれば行くことに抵抗せずに済みますし、早期発見であれば軽い治療ですみます。 間違っても日頃から、「歯磨きしないと歯医者さんだよ!」なんて脅し文句を使わないようにしましょう。
2 子どもに合った歯医者さんを選ぶ

子どもの治療に関しては、歯医者さんによっても方針は様々ですし、子どもによっても異なります。予約の際に相談すれば、その歯医者さんの治療方針を教えてくれるはずです。
歯医者さんを怖がるようになってしまった子どもの場合、無理強いせず、慣れ具合に応じて治療を段階的に進めてくれる方針の医師や衛生士さんがいる歯科医院を選ぶと良いでしょう。
親が一緒に診察室に入れるかどうかも確認しましょう。そして、まだ小さな子どもの場合、待合室に子どもスペースがあるかどうかも心理的なリラックスにつながります。
子どもに慣れた歯医者さんがいるかどうかの目安にもなるので、チェックしておくと良いでしょう。これからの子どもの歯の健康を長期的に託せる歯医者さんを早めに見つけることが大切です。
3 順番を待つ間は前向きなイメージを抱かせる

歯医者さんに行くというだけでも緊張してしまう子どもに「頑張ろうね」と言うと、何やら覚悟しなければならない気持ちになってしまうかもしれません。「もっと白くてかわいい歯になろうね」などと、ゼロをプラスにするイメージで励ましてあげましょう。ご褒美作戦も良いでしょう。
待合室では、歯医者さんに何をされるの?あの音は何?と一段と不安になる子もいます。「歯の黒いところを消しゴムで消し消ししたり、歯茎をこちょこちょするんだよ」などと、子どもが理解できる楽しい言葉で説明してあげるとイメージが湧いて恐怖心が消えます。
そして「○○ちゃんも昨日歯医者さん行ったんだって。」などと、仲の良いお友達も行っていることをほのめかして、誰でも行くものだという親近感をもたせるのも手です。
4 治療はステップアップを意識させる

子どもは何をされるかわからないことが不安感につながっていることが多いもの。確かに、診察台の横には、恐怖心を煽る先が尖った器具がたくさん並んでいるのが見えます。
使用器具や音を怖がる場合、何のためのものか一つずつ見せてもらったり、段階を踏んできちんと説明してもらったりすると、意外とあっさり受け入れられる子どもが多いそうです。
場合によっては、お医者さんにそれをリクエストしてみるのも良いでしょう。抵抗が強い子の場合、最初は練習のつもりで口をあけたり、器具で歯を触ったりするトレーニングをして、大丈夫そうなら治療に進めてもらう、というステップアップがポイントです。
慣れるかどうか、年齢や性格によって個人差があるので、結果として治療期間が長くなることも考えられます。
また、まだ小さな子どもの場合は、年齢とともに話がわかるようになるものですから、心配しすぎず気長につきあってあげましょう。親自信が歯医者さんに対する苦手意識がある場合も、子どもにそれが伝わってしまいます。抵抗感のある子どもほど、早めに慣れるように導いてあげるといいですね。
最後に、乙部先生によると「子どもの歯の治療には、歯医者さんと子どもと親の三者で協力する姿勢が大切」とのことです。乳歯であっても、痛みが出たり、虫歯の原因菌が増えて口腔内の環境が悪くなると、6歳頃に生えてくる大人の歯も虫歯になる確率が高くなってしまいます。小さい子どものうちから予防を前提に歯医者さんに親しめるようになるといいですよね。
【取材協力】 ※ 乙部紫伸・・・茨城県つくば市の歯科医院に勤務する歯科医師で1児の母